主な給水管の種類と選び方

給水管は、水の供給を担うための管であり、建物や施設において水を安全かつ効率的に供給するために不可欠な役割を果たしています。ここでは主な給水管の種類とその選択における考え方を紹介します。

1.主な給水管の種類

① ポリエチレン管
優れた耐久性と軽量性、取り扱いの容易さを特徴としています。そのため、給水管の中で最も一般的な選択肢となっています。現在新しく使われているものは熱や振動、化学物質にも比較的強い性質を持ち、さまざまな用途に広く利用されています。

② HIVP管
水道用耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管の略称であり、施工時の外部衝撃にも耐えられるように衝撃強度を高めた塩ビ管です。機能性は高い反面急激な温度変化に弱い側面も持っています。

③ HTVP管
耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管の略称であり、給湯配管や冷暖房管、温泉配管などの用途に採用されています。耐熱性に優れていることから高温域で使用できる特長があり、配管内部の流体の保温性に優れています。

④VP管
柔軟性があり、取り扱いが容易なビニール管の一種です。低コストでありながら、耐久性や腐食への抵抗力も備えています。主に上下水道埋設用、建築給水用に、集合住宅の排水や通気管に利用されています。

⑤鉄管
耐久性に優れ、強度が高い鉄管ですが、近年ではあまり採用されていません。鉄管の重量や施工の複雑さがその理由とされています。

⑥鉛管
以前は一般的に使用されていましたが、現在では健康上の懸念からほとんど利用されていません。鉛の溶け出しによる水質汚染のリスクがあるため、安全性を考慮する必要があります。

⑦銅管
銅管は、優れた導熱性や耐食性を備え、菌の繁殖を抑え、メンテナンスが容易な信頼性の高い配管として幅広く活用されています。また、施工性も優れており、給水管と使用されることもありますが主に給湯管として使用されていることが多いです。

2. 給水管選びの考え方

施工性と取り扱いの容易さ
給水管の施工性や取り扱いの容易さは、作業効率やコストに影響を与えます。管の重量や柔軟性、接続方法などを考慮し、作業工程を円滑に進めることは効果があります。

②耐久性と寿命
給水管は長期にわたり使用されるため、その耐久性と寿命の長さが重要です。予想される使用状況や環境条件に基づいて、適切な耐久性を備えた管を選択する必要があります。

③耐薬品性と耐食性
特定の環境下では、給水管が化学物質や腐食に曝される可能性があります。耐薬品性や耐食性に優れた管を選択することで、長期的な安全性を確保することができます。

④費用とコスト効率
給水管の選択にはコストの面も考慮する必要があります。初期費用やメンテナンスコスト、長期的な効率性などを包括的に評価し、最適なコスト効率を求めることが大切です。