協会の取り扱い可能案件についてのご質問

協会が取り扱い可能な案件、エリア、物件の種類、費用等について教えてください。

当協会は一般社団法人であり営利団体ではありませんので、協会自らが調査や工事を行うことは致しません。実際調査、工事が必要な場合は協会に加盟する会員会社が行います。その際、協会は公正・公平な立場で事象を判断し、最適と思われる施工会社、施工方法について会員会社と協議しながら提案、実施してまいります。
 協会へのご相談は原則無料ですが、現地への出張調査の場合、調査費用をご負担いただく場合があります。事前にご相談、ご確認ください。
 なお、協会では工事を前提としない調査(工事発注が既に会員会社以外の施工会社に決定している場合等)や他社で施工した工事の完工チェック、係争中案件への意見陳述はお受けできませんのでご了承ください。
 また、ご相談可能エリアは会員会社のカバーエリアである当面の間首都圏の一都三県(東京、神奈川、千葉、埼玉)です。隣接県については、場所により一部可能な場合がありますのでご相談ください。  
 ご相談可能な対象物件の種類は、テナントビル、自社ビル、賃貸マンション、分譲マンション、商業施設等における給排水管の故障、漏水の修繕および更新・更生工事です。当面の間、個人様の戸建て住宅に関しては、取り扱い対象外となります。

水道水の濁りについてのご質問

賃貸マンションの住民から「お風呂の水が緑色に濁っている」との指摘がありました。どのような原因が考えられますか?修理は可能ですか?

水道水が着色することがあります。色によって原因も修理方法も異なりますので、以下に代表的な例をあげます。

<水の色に関する原因と対処法>
【緑の水】高置水層内部に緑藻が発生し、混入したことによるものです。水層内の清掃、消毒を行います。
【黒い水】水道水の中には微量のマンガンが含まれています。これが同じく水道水に含まれる塩素により酸化されて、黒色の二酸化マンガンが生成されます。塩素濃度の変化などにより発生する現象ですが、二酸化マンガンの継続摂取は健康被害をもたらす可能性があるので、速やかに水道局にご連絡ください。
【赤い水】鉄管が錆びたために、赤さびが混入し赤くなったもの。既に相当管の劣化が進行していると考えられるため、健康面から早急に管の交換が望まれます。
【白い水】勢いよく開栓して水を流すと、管内が減圧され蛇口付近で空気を取り込むため、水の中に気泡が取り込まれて細かい気泡の混ざった水となり、白く濁って見えます。しばらく放置すれば、透明な水に戻ります。決して異常な状態ではありませんので、特段何か対策を講じるという必要はありません。

大規模修繕における注意点

1棟10階建100戸規模のマンションの管理組合理事長をしています。分譲会社系列の管理会社から、分譲時に計画された大規模修繕実施の提案をうけました。今後計画を進めていく上で、注意する点についてアドバイスを下さい。

マンションにおける大規模修繕の範囲と工事内容は以下の項目が代表的です。

<修繕箇所・修繕内容など>
【屋上(屋根)】漏水を未熟防ぐための防水補修工事
【バルコニー】床面の防水補修工事、排水溝付近の防水、金属手摺の腐食防止/塗装
【外部共用廊下】床面の防水補修工事、排水溝周辺の防水、金属手摺の腐食防止/塗装
【外壁】コンクリート・タイルの浮き補修、防水塗装、シーリングの打ち替え
【窓、サッシ】シーリングの打ち直し、閉まり調整
【給水設備】腐食給水管の更生・更新工事、受水槽、高置水槽の清掃、交換/廃止
【排水設備】腐食排水管の更生・更新工事
【その他】エントランス、エレベーターの監視カメラの設置、宅配ボックスの設置

これらの工事は、共通の足場を利用することで工事期間の短縮や効率化が図れ、コストの削減に繋がったり、同種の作業は同じ施工会社に同時期に依頼することにより、材料や人件費の節約が可能となるなどの点に留意して計画することが肝要です。
また、劣化具合は個別性が高いため、必ずしも分譲当時の計画通り行う必要はなく、管理会社の提案とは別に、大規模修繕計画のアドバイザーにセカンドオピニオンとして必要修繕箇所をチェックしてもらうことで、最終的なコストの削減につながることも多々あります。
大規模修繕の実施に当たっては、住民、区分所有者の協力、合意が大変重要となります。
計画策定のスタートは遅くとも1年前には始め、理事の協力は勿論、自薦他薦を含め委員会を立ち上げて、合意形成を進めながら行ってください。

トイレの臭い

ビル内共用部の男子トイレの臭気がひどいとのクレームがテナントからありました。
原因と対処法を教えてください。

小水に含まれる尿素と細菌が化学反応を起こして、アンモニアが生成されることが臭気の原因です。使用後は必ず水を流すことで、ある程度の予防が可能です。
さらに、小水が排水管内に滞留した状態が長く続くと、尿が固形化した尿石という結石となって、排水管内で臭いを発します。この結石は大変固く、水を流すだけでは取れません。特殊な器具を使って除去する必要があるため、専門業者の手を借りる必要があります。
なお、余談として、この結石付着を防ぐために、小便器の中に氷を入れる飲食店が見受けられます。これは、流し忘れによる結石の付着を予防するためのもので、小水の温度で氷が徐々に溶けることを利用した工夫です。

水漏れ事故の賠償責任

マンションで水漏れが発生し、階下の天井、壁、ひいては家具にまで水染みを作ってしまいました。損害賠償の責任区分について教えてください。

大まかに以下のように区分されます。

1、 (上階の)居住者の過失による場合は、当該居住者。賃貸中の場合は賃借人。
2、 専有部分の給排水管が原因の場合は、管理責任者である区分所有者(賃貸中の場合でも賃借人ではなく、区分所有者)。
3、 漏水原因が共用部分(共用の立て管、共用の横菅など)の場合は管理組合。
4、 水漏れの原因が排水管で、かつその排水管が下の階の天井上を通っている場合は管理組合。
5、 区分所有者、管理組合の何れの責任にも帰さない場合で、分譲会社の瑕疵担保責任、アフターサービス期間内である場合は分譲会社。

水漏れが発生した場合、原因調査の後、その結果により補修工事を行うことになりますが、管理組合は勿論、区分所有者、賃借人も必ず賠償責任保険に加入しておくことが必要です。