オーナー様でもできるマンションの給排水設備点検ポイント

マンションの給排水設備点検は専門業者による定期的な点検が基本ですが、オーナー様自身でも以下のようなポイントを抑えて日常的な確認を行うことで、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。

1. 給水設備の点検ポイント

① 給水タンクの確認(高架水槽・受水槽)
・タンクの外観にひび割れや錆びがないか
・フタがしっかり閉まっており、異物が混入しない状態か
・水漏れにより周囲に水が溜まっていないか

② 給水ポンプの確認
・通常と違った音(異音)がしていないか、振動が大きくないか
・運転ランプが正常に点灯しているか
・ポンプ室の床に水漏れやオイル漏れがないか

③ 水圧
・各フロアの蛇口で水圧が安定しているか(特定の階で水圧が低い(又は高い)場合は、ポンプや配管のトラブルを疑いましょう)

2. 排水設備の点検ポイント

① 排水管
・共用部分の排水管に欠損、腐食、漏水がないか
・スムーズな排水で、かつ異常な臭いがないか

② トラップ(排水管、排水桝)の確認
・異臭の原因となるトラップ内の水が切れていないか
・ゴミや異物が詰まっていないか

③ 雨水排水口の確認
・屋上やバルコニーの排水口に枯葉やゴミが詰まっていないか
(定期的に掃除をして水の流れを確保するようにしましょう)

3. 配管全体の確認

・配管周りの壁や天井に水漏れ跡やシミがないか
・冬場の凍結対策として保温材が適切に取り付けられているか

4. 緊急対応策

オーナー様自身が日常的に点検を行えるよう、簡易的なチェックリストを用意すると便利です。例えば以下のような項目を含めると良いでしょう:

・異常音や振動の確認
・水圧の確認
・漏水・異臭の確認
・排水口のゴミ詰まり確認

5. 専門業者への依頼目安

・自分で異常が確認された場合は早めに専門業者へ相談する。
・年1回程度、専門業者による点検・清掃を依頼することで安心を確保できる。

6. 水質管理の確認

①水質の変化を確認
・水に異常な臭いや色(濁り)がないか確認する。
・住人から「水が臭う」「濁っている」などの報告があればすぐに対応する。

②塩素濃度の確認
・簡易的な試薬やテスターを使って残留塩素濃度を測定する。
・基準値(0.1~0.4mg/L)を下回る場合は専門業者に相談。

③タンク内の汚れチェック
・タンク清掃のタイミングを確認し、清掃業者に定期的に依頼する。(水道法や自治体の条例により、受水槽は年1回以上の清掃が義務付けられています)

7. 漏水箇所の早期発見

①漏水の兆候を見つける
・配管周囲に湿気や水滴がないか
・水道メーターを使って漏水有無の簡易チェック
【方法】
1.全ての蛇口を閉める。
2.メーターが回り続けていれば漏水が疑われます。

②共用部分の確認
・配管下部の天井に染みやカビを見つけた場合、配管の漏水が原因である可能性が高いです。(特に、古いマンションでは老朽化した配管の劣化に注意が必要)

8. 冬場の凍結対策

① 保温材の確認
・配管に巻かれた保温材が破損していないか(必要に応じて保温材の交換や追加を行うようにしましょう)

② 定期的な水の流通
・冷え込みが強い日は蛇口を少し開け、水を少量流し続けることで凍結を防ぐことができます。