おさえておきたい「給水方式」の基本

1.給水方式について

まず、給水方式には次の2つの種類があります。

①直結給水方式

→ 受水槽などの貯水設備を介さずに、配水管から各戸まで直接水を届ける方式

<メリット>
・貯水槽の点検・清掃が不要
・貯水槽のスペースが不要
・配水管の圧力を利用するため、エネルギーを有効に活用できる

<デメリット>
・災害時等に断水することがある

②貯水槽水道方式

→ 水道管から供給された水を受水槽に溜め、そこから各戸に給水する方式

<メリット>
・工場やホテル、病院、学校といった一度に大量の水を使用する施設に対応できる
・災害時等に、貯水槽内に残っている水が使用可能

<デメリット>
・貯水槽の定期的な点検や清掃などの維持管理が適正に行われていることが必要
・貯水槽に寿命がある

2.直結給水方式について

直結給水方式はさらに「直圧直結給水方式」「増圧直結給水方式」に分かれます。

①直圧直結給水方式

水道管の圧力のみで給水を行う方式です。一般的には3階建てまでの建物とされていますが、地域や気候、環境などの条件によっては5階建てまで給水が可能です。

②増圧直結給水方式

水圧に加えて加圧ポンプで水圧を高めて給水する方式です。高層フロアに水道管の水圧のみで給水できない場合に選択します。なお、おおよそ10階から15階建てまでの建物に対応可能とされています。

3.貯水槽水道方式について

貯水槽水道方式はさらに「ポンプ直送方式」「高置水槽方式」に分かれます。

①ポンプ直送方式

受水槽から加圧ポンプによって建物内に給水する方式です。マンションやオフィスビルなどでは、最も多く採用されています。

②高置水槽方式

まず貯水された水を揚水ポンプによって高置水槽へ揚水し、それ以降は重力によって建物内に給水する方式です。もちろん、最上階へも給水する必要があるため、高置水槽は十分高い位置に設ける必要があります。